船帆石は、帆に風を受け出航を待っている帆船のような形をした岩石です。その姿は、世界の果てへ向けて今まさに出発しようとしているかのようです。船帆石は、海岸沿岸の珊瑚礁石灰岩の岩質の弱い部分が波の反復の衝撃により浸食され、また重力の影響によって岩石が崩落し、現在の姿になったと推測されています。船帆石は海蝕による芸術作品とも言え、岩質の固い部分が残ったものであるので、海の中にあっても揺るぎなく屹立しています。 墾丁沿岸のランドマークの一つである船帆石は、 屏鵝公路を墾丁中心から鵝鑾鼻方面へ行くと見えてきます。視界を遮るものがなにもないので、18mの船帆石は遠くからでもよく見えます。青い海と広い空を背にし、良い風がきたらすぐにでも出航しそうに見えます。 元アメリカ大統領ニクソンの頭部に似ている、とも言われています。角度を変えてみて見ると、秀でた額、落窪んだ眼窩、高い鼻筋など、なるほど確かにニクソンの特徴をとらえています。もう少し想像力をたくましくしてみると、遠泳に出るために入水したばかりのニクソンという風に見えなくもありません。傍らで水遊びをする観光客との対比がまた面白く、小人の国に紛れ込んだ巨人ニクソンと小人たちのように見えなくもありません。 船帆石付近は景観もまた素晴らしく、海岸には遊歩道が設置されています。休憩エリアの動物型の石の椅子は子ども達に人気です。そばの砂浜は水遊びにも最適です。ただし、船帆石に登ろうとするのはお止めください。大変危険です。砂浜は決して大きくはありませんが、時間を忘れて楽しめる船帆石海岸の魔力があります。

ソース：屏東観光旅行サイト